衣笠病院は、キリスト教精神に基づいた医療奉仕を行うために1947年に開院いたしました。 1998年、創立の理念に基づきホスピスを設立しました。 “ホスピス”という言葉は、「終の棲家」というイメージを持たれる方も多いのですが、在宅と行ったり来たりなど在宅療養を支えるという新たな役割も求められています。このような変化をより分かりやすく、親しんでもらえるように、2021年10月、緩和ケア病棟(ホスピス)へ名称変更をいたしました。
衣笠病院緩和ケア病棟(ホスピス)理念
患者さん、ご家族が、可能な限りその人らしく、快適な生活が送れるよう、医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、リハビリスタッフ、薬剤師、管理栄養士、チャプレン、ボランティアなどの様々な専門家によって構成されたチームでケアを提供します。

当病棟の基本方針
- 痛みやその他の苦痛となる症状を緩和する。
- 生命を尊重し、死を自然なことと認める。
- 無理な延命や意図的に死を招くことをしない。
- 最期まで患者がその人らしく生きていけるように支える。
- 患者が療養しているときから死別した後にいたるまで、家族が様々な困難に対処できるように支える。
- 患者と家族のQOLを高めて、病状に良い影響を与える。
- 病状緩和のための入院やレスパイト入院などを提供し、在宅医療を支える。
※ホスピス緩和ケア協会の基本方針を元に作成
ホスピス・緩和 なんでも相談
ホスピス・緩和 なんでも相談の詳細はこちらをご覧ください。(PDF)イベント情報
食事イベントとして毎月「喫茶 えにしだの木」を開催しています。
患者さんのリクエストに応じて管理栄養士がファミリーキッチンにて手作りしています。
当院での緩和ケア
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を改善するアプローチです。
【最後の場所ではないホスピスの役割】 末期がんの患者さまが多いので,その死を安らかなものにすることも目標のひとつではありますが、患者さまが亡くなられるまでのQOL(生活の質) を高めるということが、ホスピスの主要な目標です。ホスピスに入院後に症状が安定し、自宅にもどられる方もおられます。

施設・設備について
病院敷地総面積 | 12,119.86㎡ |
延床面積 ホスピス | 12,294.27 ㎡ |
構造 | 鉄骨造り2階建(一部塔屋一層)全20床すべて個室、礼拝室 面談室、談話室、家族専用キッチン 研修室、カンファレンスルーム、談話コーナー、一般浴室、介助浴室があります。 また、患者様のご家族がお泊まりになる場合には家族室をご利用いただけます。家族室は約6畳の広さの和室が2つあり入院後の予約制となっております。 また、屋上にはホスピスボランティアが丹精込めて育てた四季折々の花もお楽しみいただけます。 |
個室 | 部屋は全室個室で10床は有料個室、残り10床は無料個室となっております。 平均8畳半の広さで、床はフローリングとなっており、落ち着いた雰囲気です。 すべての部屋に電動ベッド、椅子、洗面台、冷蔵庫、エアコン、ウォシュレットトイレ、テレビ、ナースコールが配備されており、お部屋の明かりは手元で操作できます。壁にはお好きな絵や写真などを貼っていただけるボードもあります。 |
面会について | 面会は24時間可能です。全室が個室なので、患者さまのそばでお休みになれます。また、家族室(有料)が二部屋あるので、ここでご家族やご友人がお泊りいただくこともできます。 |
食事について | 病院で提供される食事以外に、共有のファミリーキッチンで調理される方もおられます。また出前をとったり、外食される方もおられます。 |
飲酒・喫煙について | 飲酒は可能ですが、喫煙は院内全面的に禁煙とさせていただいています。 |
入浴について | ご自分で入浴される方のための一般浴槽と、介助が必要な方のための 特別浴槽がひとつずつあります。 入浴は週1回看護師がお手伝いできる昼間にお入りいただいております。 |
外出泊について | 医師の許可のもとに可能です。ただし、外出・外泊される場合は必ず申し出てください。 |
ペットについて | 家族同様に可愛がっているペットと過ごす時間も大切です。ペットの面会や付き添いは可能ですが、ペットの鳴き声や衛生管理などで、他の患者さまのご迷惑にならないようにしていただいております。また、スタッフはペットのお世話はいたしませんので、ご了承ください。 |
牧師について | 衣笠病院は、キリストの愛による医療奉仕を行うために設立されました。そのため病院には専属の牧師が務めております。 毎週の礼拝や、患者様の病室を訪れることがございますが、宗教的な勧誘は行っておりません。 |
ご利用案内
入院については、医師・看護師による面談でご相談をお受けします。面談は予約制です。当院の医療福祉相談室で面談予約をうけたまわっております。
まだ入院する時期ではないとお考えの方でも、面談を受けられます。入院の時期・在宅 療養などについても、ホスピス面談でスタッフにお気軽にご相談ください。
患者さまご自身がおいでになれない場合は、代理の方だけでもかまいません。患者さまがくるこないにかかわらず、ホスピス面談を受けられる際には、下記の資料をご用 意ください。
ご家族様にご用意いただくもの
①「衣笠病院 緩和ケア病棟(ホスピス)面談申込書」
②健康保険証
主治医様にご用意いただくもの
③診療情報提供書(貴医院書式)
④緩和ケア病棟(ホスピス)用 医師意見書
⑤血液検査データ・病状がわかる画像
なお、①、④については、当院所定の用紙がありますので、医療福祉相談室へお問い合わせいただくか、下記よりダウンロードができます。
入院の可否につきましては判定委員会で検討の上、ご連絡いたします
各種書式ダウンロード
①【衣笠病院 緩和ケア病棟(ホスピス)面談申込書】④【緩和ケア病棟(ホスピス)用 医師意見書】
入院・退院基準
入院基準
- 悪性腫瘍と診断されていること
- 悪性腫瘍に伴う、身体的・精神的苦痛があること
- 患者さんとご家族が、以下の内容を理解された上で、入院を希望されていること
- 病状の進行による身体的・精神的苦痛に対して、症状緩和を目的とした医療が行われること
*原則として、胸水穿刺や輸血は行わない方針* - 抗癌剤やホルモン剤を用いた治療・放射線治療は行わないこと
- 苦痛症状が緩和された時は、退院していただくこと
- 心臓マッサージや人工呼吸などの延命治療は行わず、自然の経過を見守ります。
- 病状の進行による身体的・精神的苦痛に対して、症状緩和を目的とした医療が行われること
- 原則として、患者さん本人が病名・病状を理解していること
退院基準
以下の条件に1つでも当てはまる状況がおこった場合は、退院していただくことを原則とする。- 患者さん、または御家族が退院を希望されるとき
- 悪性腫瘍の縮小、あるいは治癒を目的とした治療を希望されるとき
- 悪性腫瘍以外の病気を有し、その治療を優先する必要があるとき
- 悪性腫瘍による苦痛症状が緩和され、病状が安定したと判断されたとき
退院後も安心して生活していただくことを目指し、退院後の支援システムにより切れ目のない支援を致します。
入院目的について
以下の5種類の入院目的で対応しています。
患者さんの病状の変化やご家族の気持ちの変化に応じて、入院後に変わることもあります。
1)症状緩和目的の入院
目的: | がんに伴う様々な苦痛症状を改善する |
適応: | がんに伴う苦痛症状がある患者さん 不安や自信のなさ等が原因となり、在宅で過ごせない状態になった際の一時入院 |
期間: | 2週間~1ヶ月 |
*入院の目標は、不安を含めた辛さが改善することであり、達成できれば退院となります
2)看取り目的の入院
目的: | ホスピスケアを受けるための入院 |
適応: | 看取りが近いと判断された時期の患者さん |
期間: | 2週間~1カ月、病状が安定した場合や、自宅での看取りをご希望される場合には支援いたします。 |
3)療養場所の調整目的の入院
目的: | 現在の病状や今後の見込みについてを踏まえ、療養の場所について相談し、訪問診療や 訪問看護などのサービスを利用して、在宅療養体制を整える。また、介護施設を手配する。 |
適応: | 今後の療養場所に不安をもつ患者さん |
期間: | 2週間~1ヶ月 |
4)レスパイト目的の入院
目的: | 在宅療養を送る上での、家族の介護疲労を軽減する レスパイトとは「一時休止」「休息」「息抜き」を意味する |
適応: | 在宅医療機関によるサービスを利用しながら在宅療養を送っている患者さん 病状が安定している患者さん 在宅医療機関が必要と認めた患者家族 |
期間: | 7日 |
5)体験入院
目的: | 衣笠ホスピスへの入院を考えているため、どんな場所かを体験するための入院 |
適応: | ホスピス入院面談を終えた方で体験入院を希望する方 |
期間: | 3日(室料差額なし) |